赤間君と入れ違うように、扉を開けたのは秦野君だ。



もうマジで何なの!? 暫くそっとしといてよぉ!!!!



「……今、翔が出ていったけど……。来生さん、何かされなかった?」



されたよ!とんでもないことして行ったよアイツ!



ぶんぶんと首を縦に振って、涙目で秦野君を見上げた。


もう口が穢されたみたいでキモチワルイ。



「……翔、アイツ……」


秦野君は赤間君が消えた扉の向こうを静かに睨んで溜め息をついた。



「とりあえず、この扉にはチェーンをつけた方がいいね。あと、来生さんはやっぱり眼鏡は外さない方が良いよ」



秦野君の言葉に力なく頷いて、ようやく私は立ち上がった。