「……っつか!チョコレート!ハートのチョコで何か思い出せねぇ?」



ああもう、しつこいなぁ。


「それ赤間君が今年貰ったバレンタインチョコの自慢ですか?」


けっ、忌々しい。


「ちっげぇよ!確かに今年はハートのチョコは38個貰ったけど!」


自慢かよ!!!!


「俺が生まれて初めてお袋以外から貰ったチョコレートが、ハートの手作りチョコだったんだよ!お前からの!」


………は?


今コイツ何か言った?



「だから!お前、俺が共和にいる時、毎年誕プレとバレンタインチョコをくれたじゃん?けど俺、そんなの知らないガキだったから……」

「……だったから?」


だったら何だよ?


私にとっちゃそんな過去、封印したい黒歴史だよ!


思い出したくもないから思い出す必要もないがな!



「……あれからずっと、お前の事が心のどっかに引っ掛かってて。もしいつか会えたら、って……」

「……でも赤間君、カノジョ持ちですよね?」

「あ…。うん。でも、あの頃のお返し…とか」


要らねーよ。けどそこまで言うなら現金でいいわ。

現金なら趣味に投資できるしな!


……とはさすがに言えないか。