「教科書がねぇよ…」



そう言って食堂にフラフラと入ってきたリア充。



ぷふー!お前馬鹿なんじゃねーの?


「翔は何をやるつもりだったんだ?」



一さん、こんな奴にまで優しくする事ないですよ。


「あ、俺も英語からでいいや」

「悪いけどさ、紗凪ちゃん教科書を見せてやってくれないかな?」

「別にいいですよ」



ホントは全然良くねーけどな!!


やがて私の横に座るリア充。


「二人共、一年の時は復習は毎日やってた?」

「はい、大体毎日やってました。分からなかった時は特に時間をかけてました」

「俺なんもやってねぇ。復習ってなんでやんなきゃなんねーの?」



やーい、ばーかばーか!お前が通う西南も、うちと一緒で進学校だろ?復習しないとかマジでドンマイだよ。

つーか、お前の方がドンマイ。大学受験で泣いてしまえ!!


「あ、翔はスポーツ特待生だったっけ?でも基礎はきちんと押さえないと、三年になってから後悔するぞ」

「マジっすかー?うーわ、超だりぃ」


お前ここに何しに来たんだ!?


「いいからほら、一年の時に使ったノートを見せて。例文を二人がどこまで暗記してるか、見てみるから」


一さんに言われた通りに、私は一年の時のノートを差し出した。