私がご飯を掻き込むようにして食べ終わるのを、一さんはにこにこ笑って見守ってくれていた。



「この寮には談話室とか勉強部屋がないから、勉強会したい時は食堂を使っていいんだよ。ただし昼間だけね」

「そうなんですか?」

「前はずっと食堂を開けてたけど、飲み会の後の散らかり方が酷かったんだよ。だから、今は日中だけ解放してるんだ」



男同士の飲み会……。ヤッベ、萌えてきたんですけど。



食後、ゆっくりする間もなく勉強道具を持って再び食堂に戻った。


「紗凪ちゃんはどの教科から?」

「英語からお願いします」


深々とお辞儀をすると「そんなに大層なものじゃないよ」と、一さんは笑った。