「紗凪。お前は男をまるで分かってねぇ。つーか、さっき紫野が言ったように、気軽に寮生を部屋には入れんな」
「そうだね。それから、もし他の誰かが『紗凪ちゃんは、どんなタイプが好きなの？』って気いてきたら、こう答えて」
「どう答えれば良いんですか？」
「『私は、女好きな男は嫌いです』って答えなよ」
「……女が好きな男の人は苦手ですけど……」
「違ぇよ馬鹿。女好きと女が好き、若干意味が違うだろうが」
うぅ？よく意味が分からないぞ？
「ま、意味は分かんなくてもいいからさ、誰かに好みの男のタイプを聞かれたら、そう答えて」
二人が言うことが、分かるようで分からないような……。
「分かりました。ご忠告、ありがとうございます」
なんだかよく分からないけど、多分私の為に助言してくれたのだと思うから、ここは取り敢えずお礼を言っておこうっと。
