幸い蓋のお陰で全部は溢さなかったものの、少量溢れたマキアートを紙ナプキンで拭こうと床に這いつくばって……その声がした方を盗み見て固まった。


そしてその二人と、バッチリ目が合ってしまう。





ええぇぇぇぇ!!!!




みみみ充さんと紫野さんだっ!!!!





この二人、やっぱり腐ってたのね、とかリアルガチホモktkrとか、そういう単語が忙しなく頭の中を流れていく。



どうぞどうぞ、私に構わずイチャイチャラブラブして下さい!

私はこうして灰かぶりのように下を向いていますから!

もっともここから動く気は毛頭ありませんが、ええ!



「……ちっ。紫野、場所変えるから」


充さんは舌打ちして、店から出ていこうと立ち上がってしまったらしい。


えー!ちょっと待って下さいよ!もっと二人のイチャイチャぶりを見せて下さいよ!


「……待って、充」


うわ、名前呼びだ。幸せ過ぎてクラクラする。