それから参考書を一冊取った一さんは、私に軽く手を上げた後、教育関係の棚の方に移動した。
その一部始終を見ていた奈乃は、もう目が爛々と輝いていて。
「絶対あの人、攻め顔だよねっ!?」
朝、ああいう風に慰められた私としては、一さんに対しては全くそういう考えが失せてしまった事に、少なからず躊躇していた。
一さんって、優しいんだな……。
そんな感情を抱いた私は、彼がうちの寮生である事を、とうとう最後まで奈乃には言えなかった。
その一部始終を見ていた奈乃は、もう目が爛々と輝いていて。
「絶対あの人、攻め顔だよねっ!?」
朝、ああいう風に慰められた私としては、一さんに対しては全くそういう考えが失せてしまった事に、少なからず躊躇していた。
一さんって、優しいんだな……。
そんな感情を抱いた私は、彼がうちの寮生である事を、とうとう最後まで奈乃には言えなかった。