「はよーっす」「おはよ」


宏樹さんの背筋に見とれていると、眠そうな充さんと見目麗しい紫野さんが、二人一緒に食堂に入ってきた。

充さんの寝癖!イケメンの寝癖、しかも目を擦るとかオプション付きを朝から見られるなんて、なんて役得なんですか!



「なんだ。充はまた二日酔いか?」

宏樹さんが紫野さんに苦笑しながら尋ねている。


「昨日は自分の部屋で飲んでたらしいですよ。僕は昨日は早めに寝てたから」



ぶは!!紫野さんの一人称って《僕》なんだ!萌え要素有りすぎじゃね?これ良い感じじゃね?(何が)



「あれ、翔と天は?」

朝食が乗ったトレイをテーブルに置いて、隣に座った紫野さんに、充さんが聞いていた。


ちなみにこの二人は私の目の前に座ってきた。




ぎゃあぁぁぁぁぁ!目の前にイケメン二人とか、幸せ過ぎて朝から鼻血出すよ、両方から出しちゃうよ!って、どんな出血大サービスだよ。



「翔は部活でしょ?天は……いつもの低血圧じゃない?アイツ朝マジで弱いから」



フッと笑うその姿も様になってます、紫野さん!是非その笑顔で充さんをメロメロにして下さい……。

いや、紫野×天もアリかな?

紫野さんが強引にリードするのも悪くないな、うん。


「……紗凪、だっけ?お前何紫野の顔見てニヤニヤしてんの?」



充さん!思わぬところから鋭いご指摘を頂いたわ。こういう時は。



「……両親がいなくなってから、今まで一人でご飯食べてましたから……。賑やかな雰囲気に、安心した、っていうか……」




然り気無く俯いて、ニヤけた顔に蓋をする。よし。これで偽装は完璧なはずだ。