「じゃあ何なら良いんだよ?メイドか?」

「どれも嫌です!」



だけど、必死に抵抗したのに結局強引に着せ変えられてしまった。


赤いチェックのアイドル衣装。こんなのコスプレじゃないじゃん。


更には紫野さんが手際よくヘアアレンジまでやってしまい、もう見るからに《アキバアイドルに憧れたイタいコスプレ少女》に、変身させられた私。



「……誰がこんなの喜ぶんですか…」


顔にガーゼを貼り付けたまま、キッと充さん達を睨み上げた。



充さん達は、そんな私すら見て笑いを堪えている。


逃げられないよう二人に挟まれて部屋に戻ると、何故か冷やかしの口笛と、「おおっ!!」と言うどよめきが起こった。



「はいはーい。紗凪ちゃんに、コスプレしてもらいましたー!」


紫野さんが皆を見渡してニヤリと笑う。