こうなりゃ自棄だ、アニソンでも何でも歌ってやろーじゃないか。


タッチパネルとペンを速攻で掠め取った時、頭上に暗く影が落ちた。



「紗凪、ちょっと来い」


にたりと口角を上げて命令形でそんな事を言ったのは、充さんだ。


後ろには勿論紫野さんも控えている。



「……なんで充さん達ばっか!? ズルくね!?」


とか何とか赤間君が抗議しているけど、この席から離れる良い理由ができた私は喜んで充さん達の後に従った。




……そして、後悔。



「いーやーでーす!!」

「いいから着ろって!得意なんだろコスプレ?」



確かにコスプレはやりますけど、紫野さんが持ってる衣装はコスプレ衣装とは言いません!!


「いいじゃん、アキバアイドルの服。紗凪ちゃんに似合うよ?」


似合う似合わないの問題じゃありませんよ、紫野さん!!


そんな服なんて着たくなーい!