救いを求めて充さん達をすがるようにみれば、なんと暗闇に紛れて充さんと紫野さんがイチャイチャしているじゃないですか。


私もあの席に行きたい!! 行って後ろからハァハァしながら眺めていたい!!


それなのに赤間君は、繋いだ私の左手を離さないでぎっちり掴んでいる。



あーもう!


イライラしてキレそうになった私の右隣に座ってきたのは宏樹さんだ。




宏樹さんは遥斗さんや優子さんに言って、乾杯の指示を出している。



……こうなったら身動きとれないかー…。



一同席を立ち上がり、各々グラスを掲げて宏樹さんの言葉を待った。


「じゃあ、新しい寮母の紗凪と、いつも俺達の世話をしてくれている優子さん達に……乾杯!」

宏樹さんの乾杯の音頭に合わせて、そこかしこで「かんぱーい」の声が上がる。


少し照れ臭くなった私は、ジュースを一気に飲み干した。