なのに赤間君は管理棟の治療キットを持ち出し、手際よく傷口を消毒して顔にガーゼを充てていく。
赤間君の顔と私の顔の距離、わずか数センチ。
赤間君は苦しそうな表情で、私の傷口を手当していく。
なんだよこれ、なんの拷問!?
充さんや紫野さんとここまで近づけたらご褒美になるけど、赤間君に近づかれても拷問にしか感じない!
て言うか、拒否反応のせいか心臓がばくばくしてる。
そうだよ、ノーマルな男子にこれだけ近寄られた事って今までにないもんね。哀しい自慢だけど。
だからこんなに緊張してるんだ。だから早くそのツラ退けろ。
願いが届いたのか赤間君がふいっと顔を逸らした。
もう終わったのかな?