にしても、この変わり身の早さよな。呆れてモノも言えないわ。



まあ、傍観してたおとなしめの二人はどうでもいいけど。



これ以上修羅場に関わる気もなかった私は、顔の傷の手当てをしようとその一群から背を向けた。



途端に、ぱあんっ…と響く、乾いた音。



「テメェが紗凪に手ぇ出してたんじゃねぇか…」

「ちがっ…!誤解だよ翔! 」


どうやら赤間君がギャルの一人を平手打ちしたらしい。


うわあ…。リアル修羅場だ、初めて見た。



「誤解じゃねーだろ、紗凪に謝れよ…。つーか俺言ったよな?好きな奴できたから、もうお前らとは遊ばねーって」


いやもういいから、関わらないでくんない?


彼女達も白けたのか、ぶつくさ言いながら逃げるように去って行った。



おとなしめの二人は、私にぺこりと頭を下げて、寂しげに赤間君を見つめてから背を向けてふらふらと歩き出す。



ちょっと、あの子達絶対泣いてるよ?



大丈夫かな?