その次に立ち上がったのは、宏樹さんの前に座っていた、黒髪に日本人離れした長身の持ち主。おそらく180センチ以上はあるんじゃないだろうか?


それに、眉目秀麗ってこの人の事を言うんだなって雰囲気を纏っている。

「篠原一(しのはら はじめ)だよ。N大の二年生。教育学部で、将来は高校の先生になりたいと思ってる。宜しくね、紗凪ちゃん」

「一君のご両親も学校の先生でいらっしゃるのよね。たまに勉強とか教えて貰ったら、紗凪ちゃん」

一さんには笑顔でお辞儀した。



うわ、いかにも《お兄さん》って感じがする。こういう人は、どっちに転ぶか分からないタイプだよな。

両刀とか…萌えるんですけど!!それに親しみやすい感じがするし!



一さんは要チェック……と。



私が一さんに気を取られていると、席を立たずに挙手だけして「鈴城慶助(すずき けいすけ)ッスー。ヨロシクー」と言ってきた、さっきのチャラ男さん。

ちなみに髪の毛はメッシュの入ったブラウン。

私の方を見ようともしないし。ま、別に良いけど。こっちも論外だし。



苦笑しながら一さんが補説してくれた。

「慶助は、俺と同じ大学、同じ学年ね。こんなんだけど根は良い奴だから」



ごめんなさい一さん、それ激しくどうでもいい情報です。



「……慶助君には要注意。たまに規則を破って、女の子連れ込んだりしてるからね」

優子さんがキリッとその人を睨んだ。

……あれ、チャラ男の名前なんだっけ?