そうして夕方近くまで勉強に打ち込んでいたら、気づけばもう6時。



食堂に降りるのは苦痛だけど、そろそろ下に行こうかなー…と、背伸びをした私の背後から聞こえた、カサリという微かな音。




……なんだろ?



そう言や、優子さんに、部屋の扉にチェーンを付けて貰うよう頼んでなかった。


後でお願いしないといけないな。




昨日の惨劇が再び起こりませんように…と心の中で祈りながら、音もたてずに扉を開けてみた。



けど。




そこには誰もいなくて、肩透かしをくらった私は安堵した。



でも、扉を閉めようとして、ドアノブに何かが掛けられているのに気付く。



……白いビニール袋。



何だこれ?




部屋に戻り、そのビニール袋をがさごそと開けて覗いてみると、中にはフルーツゼリーが2つとアーモンドチョコレートの箱が1つ入っている。



あのこれ、まさか。




狐の恩返しじゃあるまいし、まさかアイツ……。




こんな事をする人間を一人しか思いつかなかった私は、遠慮なくチョコレートを戴いた。




……けど、モノで釣ろうったって勘違いすんなよ!チョコレートもゼリーもありがたく戴くけどな!




それから、今のカノジョとは末永く爆発してろ!!