一さんと入れ替わるように食堂に入ってきたのは秦野君だ。



秦野君に本を返し、今日は気分が悪くて外出したくないから図書館に行けない旨を伝えると、大きく溜め息をついて「昨日の今日だから、仕方ないよね」と呟いた。



秦野君とは食堂で当たり障りのない会話をして別れて自室に戻った。




その日は春休みの課題の消化に一日を費やしたからか、さすがに頭が重たいし肩が凝ったよ。



昨日、赤間君とああいう事があったばかりだからか、迂闊に食堂に行って誰かに会うのは怖いので、専ら管理棟以外からは出ないように気を付けて。




でも、一さんと宏樹さん、充さん達は別だけどね。




部屋に籠りきりだから、その充さんと紫野さんにも今日は会ってない。




充さん達だけは、本音を飾らず直球で物を語れるから気兼ねしないで済むのにな。


それに、私の性癖を知ってる人達だし。



紫野さんは美人だし。お兄さんって言うよりお姉さんって感じだし。受けだし。げへ。





明日の歓迎会は、優子さんか充さん達にくっついとこっと。