「俺は竹垣宏樹(たけがき ひろき)。K大の三年生だ。寮で揉め事なんかあったら、まず俺に知らせてくれや」


宏樹さんに一礼して、「宜しくお願いします」と改めて挨拶をした。


「宏樹君はこの寮では一番年上だし、面倒見がいいの。寮長みたいな感じだね」と、優子さんが彼を評した。



その次に立ったのは、宏樹さんの隣に座っている、茶髪をワックスで固めた、やや長身の人。うん。顔はバランスが取れてて、良い感じ。


「小野遥斗(おの はると)。K大の二年生ね。宏樹先輩とは同じ大学に通ってるから、まぁ大体生活リズムも似たようなもんだと思って」

「遥斗君のファンは結構過激な娘が多いから、紗凪ちゃんは気を付けて。追い払うのがいつも大変なんだから」

「いつもゴメンね、優ちゃん」


優子さんにそういう遥斗さんにも一礼して、彼を観察した。




……うーん。フェミニスト?なら眼中にないな。うん。ない。