真彩の問いを鼻で嗤うように光俊は、言った。


「見損なうな…そこまでしてねえよ。
着信があったら、表示されるだろ……

…一体、何コソコソしてんだよ?
お前、そんな女なのかよ?
……砂川なんて誰だよ?

正直に言えよ!」



こんな風に光俊に強く責められたことはなかった。

夫の激しい口調に、真彩は萎縮してしまう。


正直に言って許してもらいたいという一心で、不用意な一言が真彩の口から出てしまった。


「司は、元カレ……」


それを聴いた途端、光俊はバン‼と新聞を力任せにテーブルに打ち付けた。


「きゃっ!」

真彩は驚き、肩をすくめて
小さく悲鳴を上げた。


勢いよく光俊は椅子から立ち上がり、苛立ちと憤怒の形相で真彩に詰め寄った。


「元カレ!?
何、お前!そんな奴とまだ付き合ってんの?いつから?

俺と結婚してからもずっと切れてなかったわけ?
そいつともやってたのかよ⁈」


「そんなことないよ…やってないよ…
光俊とだけだよ…ごめん……」