聞こえていた………


光俊は、怒りに燃える目で真彩を見つめていた。



少しの間の後、


「…誰だ?それ…」


低く唸るような声で真彩に問う。

灯りの下でも白眼が血走り、必死に自分を抑えているのがわかった。


真彩は、自分のしでかした愚かな過ちに動揺し、収拾がつかなくなっていた。




「…ごめんなさい………」


小さな声で言った後、身体を起こし、急いでパジャマや下着を拾い集めた。


そして、無言のまま、夫の顔を見ずにベッドルームを後にした。





ベッドの上で戯れている最中に、他の男の名前を呟いてしまう。


これほど、パートナーを侮辱し、傷付けてしまう行為はないだろう。


真彩は、そんな大罪を犯してしまった。



ーー馬鹿だ…私、なんてことしちゃったんだろ…
なんで司の名前が出たんだろう……


理亜の横で掛け布団に包まりながら、自分の失態が悔やまれてならない。

ほとんど眠れなかった。