強くなってきた海風に、木の枝がワサワサと囁くような音を立てる。
遠くには、八景島水族館の青白い光を放つ屋根の上部がかろうじて見えた。
キスを仕掛けてきたのは、司の方だった。
その隠れた暗闇の小さな園で、真彩は司と抱き合い、とろけるようなキスを交わした。
司は真彩の身体を引き上げるように抱え、真彩はちょっとだけ爪先立ちをして。
司とは、寝ながらキスをした方が楽……
真彩は思った。
真彩のふくらはぎが少し震え出した頃、司の右手は、信じられない動きをし始めた。
真彩は驚き、軽く拒絶する。
ーー誰か来たら嫌だから…
ーー誰か来たら隠せばいいよ。
司は強気な口調で言い、真彩の足元にしゃがみ込んだ。
ーー今、ここでしようよ。
真彩が抵抗する隙もなく、司はくるぶしまでのフレアスカートを捲り上げ、その中の下着に両手を掛けた。
ーーいいでしょ?
司は大きい仔犬みたいな顔で真彩を見上げる。
その大きな瞳が、遠くのわずかな灯りに反射し、潤んでいるのが分かった。