先週、光俊が風邪を引いて咳を盛んにしていた。


(理亜に移ったのかもしれない…)


そんなの言いがかりだと分かっているけれど、ふと、光俊を恨みたい気持ちになる。


夕方、理亜は哺乳瓶で少しだけ
イオン飲料を飲んでくれたので、小児科でもらった薬も飲ませた。



午後7時。

時計を見ながら、光俊は何をしているんだろうか、と考える。
メールも来ない。


もしかしたら、仕事の後、断れない誘いがあって夜の札幌の街に繰り出しているのかもしれない…と思う。


どうせ、うちには帰れないのだから、それでも構わなかったけれど、理亜の体調を気にするメールくらいして欲しかった。


あまり食欲はなかったが、何か食べなくては真彩自身の身体がもたない。


出掛けられないので、パスタを茹でて、切ったキャベツ、胡瓜、ミニトマトを添えて、イタリアンドレッシングで和えた。


テレビの音を小さくして、パスタサラダの夕飯を摂っていると、真彩のスマホが震え出した。


フォークを放り出すようにして、
スマホに飛び付く。


画面には、砂川司と表示されていた。


(司!)


思わず、司に縋り付きたい気分になり、急いでメッセージを読む。