梅雨の晴れ間。

今頃、ママ友達は市民公園に遊びに行ってるはずだ。

子供をベビーカーに乗せておしゃべりに花を咲かせているだろう。


真彩にも怜汰くんママから誘いのメールが来たけれど、「理亜が風邪」と断った。


「一週間振りに、
皆に逢いたかったねえ…」


真彩は、小さな背中を軽くポンポンと叩きながら理亜に話かける。


理亜は、真彩の胸に顔を埋めるようにして、右手の親指を吸っていた。


せっかくの太陽だから洗濯もしたかったけれど、何にも出来なかった。

抱っこしていないと、機嫌が悪くてグズグズ泣くから、真彩は午前中からずっと理亜をソファで抱っこしていた。


熱を測ったら、37.8度。
微妙な度数だ。


昼間、家から徒歩15分の場所にある個人の小児科医院で風邪薬をもらってきた。

夕方の授乳が終わったら、飲ませようと思う。



今朝7時、光俊はボストンバッグを持ち、羽田空港に向かった。


『何かあったら、メールして。
客先で、すぐに返信出来ないかもしれないけど…』


玄関先で、不機嫌な理亜を抱っこした真彩に心配そうに言った。


理亜はこれまで、たまに下痢をするくらいで、熱など出したことがなかったのに。