思いを遂げた彼は、ベッドサイドのスタンドの灯りを付け、時計を見るや、ブツブツ言いながら、下着を身につけ始めた。
「うわ。もう1時半かよ。
やべ。明日朝イチ会議なのに。
寝るわ。お休み。
真彩。愛してる」
付け足しみたいに愛の言葉を吐き、使用済みティッシュも散らかしたままでさっさと妻に背を向けて眠りについた夫。
…しばらく、呆然としていたけれど、床に落ちたブラジャーを拾い、身につけようとした真彩は両方の乳房の先端にぴりりとした痛みを感じた。
「何、この痛み…?」
恐る恐るスタンドの灯りに乳房を照らしてみる。
「…吸っただけなんて嘘ばっかり…」
真彩は泣きたくなった。
光俊に噛まれた敏感な場所は、筋のような赤味を見せ、傷ついてしまっていた。
光俊が買ってきた缶のワセリンを乳首に塗る為に、真彩はセーターを捲り、ブラジャーのホックを外した。
煌々としたリビングのLED照明の下、露出した真彩のチョコレート色をした乳首を目の当たりにした光俊は、ごく、とツバを飲んだ。
真彩は呆れた。
このところ、一日置きくらいで好きにしている癖に。