ええ……
真彩は俯く。
昨夜もしたばかりなのに…
それも、するしないで喧嘩になったあと、結局真彩が折れる形で抱かれた。
真彩は育児と家事で疲れ切っていたのに。
『やらせなかったら、俺、外で欲求満たしてくるからな!』
光俊は、リビングで大声で怒鳴り、真彩は本当にビックリした。
光俊は真彩より二つ歳上の34歳。
大の男がそんなことで声を荒げるなんて…
結婚してから、共稼ぎのせいもあって、だいたい週末にまとめてする感じだった。
理亜が生まれてからの光俊は、少し変だ。
とにかく回数が増えた。
夫としてはすごくいいのに。
光俊は昔から赤ん坊が苦手だったと言う。
「壊れそうで怖いんだよ。
可愛いは可愛いんだけど。
早く3歳くらいになってくれないかな。」などと言う。
いまだに、抱っこする手つきもこわごわで、理亜が泣くとうろたえてしまう。
休みの日、光俊が理亜をお風呂に入れるのも、オムツを替えるのも、必ず真彩の手伝いが必要だった。
それでも、光俊は光俊なりに努力しているのが真彩にも分かっていた。
育児が苦手なら、別の形で真彩をサポートしようと。