理亜は首も座り、授乳や睡眠の時間も安定してきた。
以前、出産のメールをくれたヤマちゃんこと山崎すみかさんは、
[やたら神経質で、ぎゃん泣きの毎日。
男の子って、こうなのかなあ?
もう、育児ノイローゼになりそう…]
と真彩にメールを送ってきた。
真彩の育児が順調だと知ると、ヤマちゃんは
[いいなあ、赤ちゃん、取り替えて!]
と返信してきて真彩はウケた。
ーーでも……
真彩は溜息を吐く。
育児は楽しんでやっている。
日々、成長著しい理亜。
二重まぶたのぱっちりした瞳。
ふっくらとした頬。
ふわふわとした柔らかい髪の毛。
いないいないばーで遊んでやるときゃっきゃと笑い声を立ててすごく可愛い。
真彩は、理亜を抱きしめる。
「可愛い、可愛い、理亜っち。
ママのところに生まれてきてくれてありがとう….」
その姿を横で見ていた光俊が割り込んできて、真彩の腕から理亜を抱き上げる。
理亜を抱っこするのかと思いきや、光俊は赤ちゃん布団の上に理亜を寝かせてしまう。
「そんなことしてたら、理亜、なかなか寝ないじゃん。
早く寝かせろよ。
そんで早くこっち来て!」
光俊は拗ねたような口調で言ったあと、雑誌を持って寝室へ消えた。