「渚、ご挨拶は?今は夜だから、こんばんは、って言うんだよ」


司が渚の頭を撫でて言う。


「こんばんは!砂川渚です!4歳です!赤ちゃん、なんてお名前なんですか⁈」


渚は、人懐こい性格らしく、抱っこホルダーから理亜をソファの上に下ろす、真彩にまとわりついてきた。


「この子は理亜っていうんだよ。渚ちゃん、よろしくね」


渚は理亜の右手を握り、理亜もご機嫌にニコニコして、渚のほうに手を伸ばす。


かわいい〜を連発して理亜に夢中になる渚の笑顔を見て、真彩は、昼間ショッピングモールで出会ったゆめかを思い出した。


元気の良さは似ているが、ゆめかは、丸顔の子供らしい女の子だった。


渚は細おもてで目も大きく、鼻も口もこじんまりとしていて、顔立ちそのものは整っているのだけれど、何かアンバランスな感じだ。


可愛いのは確かなのだけれど、黒目が大きすぎるせいか、多少寄り目に見える。



ーーこういう子って、年頃になると突然、美少女へと変貌するのよね……


真彩は思う。