「ほんとネガティブだよね、頼人は」

「…コンプレックスの塊だから、俺は」

「よしよし。そのネガティブさがお前のウリなんだけどな」


拗ねた様子でイチゴオレを吸い上げる頼人を見ていると、もう一人の私がいるんじゃないかと思う時がある。

…私も同じ、コンプレックスだらけで自分に自信がないから。

そんな心の声を察知したのか、満足気な顔でこちらを見て笑みを浮かべる頼人。


「眼留さんなら俺の気持ちわかってくだちゃいますよねー?冴えない者同士の苦悩が」

「…死ね。」

「死ねは挨拶だから」

「あはは、オハヨウの代わりにシネが挨拶!?斬新だね頼人」

「随分ダークだな!」


ゲラゲラとお腹を抱え、壁を叩きながら笑う悠介と美月と私。震えながら笑いを耐える頼人。

なんだかんだで、やっぱり…私、こいつらが好きなんだなーって感じる瞬間。


(…バカな話が出来る仲間がいる事が、幸せかな。)


やっぱり、そう思う。