金色の紙髪が揺れ、
俺が気づいた時には愛姫はバイクの上だった。
龍馬「……お前、バイク乗れるのか…?」
「……ん。」
また感情の無い声が聞こえた。
驚きを隠せない俺達をよそに愛姫は星が輝く夜空を見上げて…
また……
涙をこぼした。
龍馬side end
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龍馬「……き………愛姫?」
(……ん……?)
目の前には心配そうに私を見る総長の顔。
龍馬「着いたぞ。」
見上げるとそこは40階立てぐらいのマンションの前だった。
「……ここ……どこ?」
雷馬「僕たちの秘密基地です。」
龍馬に手を引かれ中に入るとまるで高級ホテルのような雰囲気が漂っていた。
神馬「龍馬、どこの部屋に行く?」
龍馬「最上階。」
チンッ
エレベーターを降りるとたった1つの入り口だけだった。
風馬「詳しくは中に入って説明するよ。」
「ん。」
「……すごい…。」
部屋全体を照す大きなシャンデリア、高級感溢れる大きな机。
私には見たことないようなものが沢山あった。
雷馬「適当に座ってください。」
私は大きなソファーの端っこに腰を下ろした。
隣には総長さんが座る。
少ししてコーヒーがはこばれた。
龍馬「……愛姫…俺らはな………条件付きの自由なんだ…。」
総長さんが私の方を向いて話し出した。
他の3人はうつむいていて表情がわからない。
龍馬「俺の本当の名前は…矢岳 龍(ヤダケ リュウ)」
雷馬「僕は神田橋 雷(カンダバシ ライ)」
風馬「僕は虹潮 匠馬(ニジシオ タクマ)」
神馬「俺は俺は…竜陰寺 神汰(リュウインジ ジンタ)」
矢岳グループは日本一大きな企業。
神田橋一族は世界に誇る歌舞伎一族。
虹潮社は日本一の貿易会社。
竜陰寺組は世界一の極道。
日本人なら誰でも知っているものばかりだ。
雷馬「僕達はみんな、二十歳になるまでの自由なんです。」
風馬「二十歳になったらみんなそれぞれの家にもどるの。」
条件付きの自由…。
それは…
私もだ。
「……私は………」
言葉がでない。
言わなきゃ。
私だけが苦しいのではない。
言わなきゃ。
言わなきゃ…。
「私の……
私の命は………。」
言えない…。