「にいちゃーん!!電話だよぉー!!」



電話……?




「はい…」



『あ、雷馬…じゃなくて…雷!!




今日、18時に集合だからね!!




んじゃ、またあとで!!』




ガチャッ




……あいかわらずなやつだ…匠馬…。





雷side end
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龍馬(龍)side




「矢岳さん、資料できました。」




「あぁ…。」




今日でちょうどあの日から1年…。




机にたまっていく沢山の資料。



あいつのことで頭がいっぱいで仕事が進まない…。










「りゅーっ!!なんだこの資料の数は!!仕事せんかい仕事っ!!」




……うるせぇ…。



俺の目の前で叫ぶ女。




矢岳 歌音(ヤダケ カノン)




姉貴。




「……今日。1年なんだね…。」



姉貴が珍しく普通に話した。




「……あぁ。」










「見たかったな…愛姫ちゃん……。」




愛姫……っ…




思い出すだけで胸が苦しくなる。




「今日はもう上がりな…18時約束なんでしょ♪」




「すまんな、姉貴…。」










18時ちょうど。




マンションの最上階。




1年ぶりのこの部屋。




ガチャッ




懐かしい声。




神汰「遅いぞ、龍っ!!」



匠馬「待ちくたびれたぁー♪」




雷「仕事、お疲れ様です、龍。」




少し安心した。









変わらない仲間。




唯一変わったのは…





愛姫がいないこと。





「おぉ……。」





俺は短く答えてある場所に向かった。









今までずっと入れなかった場所。






愛姫の部屋。






開けるとそこに広がるのは…












……っ!!





床にばらまかれた薬。





きっと今まで1回もこの部屋に入れてくれなかったのはこのせい。





愛姫は…苦しんでいたんだ…。






雷「……愛姫さんが生きていた証ですね…。」




雷が苦しそうに呟いた。










……?




机に置かれたいくつかの封筒。





俺は薬を避けながらその封筒を手に取った。






これは…。