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ずっと雨なんてありえない。
いつかきっと晴れるから。
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龍馬「愛姫………」
……。
龍馬にまた手を引かれ人形のように歩いた。
これでよかったのか
人殺しが近づいてもいいのか
また…
大切な人を失うのではないか。
龍馬「……愛姫!!」
「……!!…あ、ごめん、なに?」
龍馬「……いや、ついた。」
目の前にはまたあの大きなマンション。
最上階までエレベーターで上がり部屋に入る。
雷馬「みんな、コーヒーでいい?」
風馬「たぶん。」
雷馬がコーヒーを持ってきた。
少しの沈黙。
話さなきゃ。
龍馬たちなら大丈夫
分かってるけど身体が震える。
龍馬「……初代風神は今から7年前カケルさんを総長とし作られた。1年後には全国No.1になり、市場最速で全国を治めた。」
雷馬「……そんな風神が発足して立場を失ったのがNo.2の疾風。突然出てきたたかが17,8の年のガキに先を越されいい思いをするわけがない。」
風馬「そして…事件は起きた。」
神馬「風神の副総長、カズヤが何者かに切りつけられ殺された。」
……。
風馬「僕達が知ってるのはこれだけなんだよ。ねぇ…愛姫ちゃん、あの時なにがあったの?」
風馬の綺麗な目が私に向けられた。
龍馬「俺達は…離れねぇよ。」
龍馬が震える私の手を包み込む。
今から5年前。
私はまだ12歳だった。
学校帰り、
誘拐された。
遠退く意識のなか最後に聞いたのは…
『風神副総長の妹だ。』
神馬「……カズヤ…お前の兄さん!?」
「間城 和也。8歳年の離れたお兄ちゃん。」
意識を戻したとき…
目を開けるとそこはまるで真っ赤な海だった。
沢山の人が倒れ鉄の臭いが充満してた。
私は手と足が縛られていた。
目を凝らして遠くを見るとそこにいたのは…
春宮先生とお兄ちゃん…たぶんお兄ちゃんの仲間のあと2人。
『お兄ちゃん!!』
私は思わず叫んだ。