龍馬「……で…?」
クスクスッ
突然聞こえた龍馬の気の抜けた声と残りの3人の笑い声。
亜綺羅の顔が引き攣る。
龍馬「……だからなに?」
亜綺羅「……え、人殺しだよ!?こいつは…私の恋人を殺したのよ!!!!」
雷馬「……悪いけどさぁ…僕達の総長さん、愛姫ちゃんにベタ惚れでさぁ早いとこ諦めないと…切れちゃうよ!?」
雷馬が…
キレてる。
雷馬から敬語が消えたらキレてる合図。
風馬「僕もねぇ…愛姫のこと大好きなの♪……だからさぁ…人殺しなんて関係ないね!!」
風馬の顔が笑ってるのに怖い。
いつもの可愛いの要素がない。
神馬「……久しぶりだな、アキラねぇちゃん……」
亜綺羅「……じんくん…」
神馬「まさか華美とグルだったなんてな…愛姫の情報は妹の華美を通じて調べてたのか。早くさぁ…愛姫をうちの総長さんにかえしてよ。」
神馬は…
裏切られたんだな…。
きっと……華美さんのことが…。
みんな…戦ってる。
負けちゃダメ。
私はゆっくり立ち上がる。
龍馬「愛姫…」
龍馬のてが私を支える。
「……亜綺羅………ごめんなさい。誤ってもだめなこては分かってる。」
亜綺羅の目が私に向く。
「和也は………私のせいで死んだのは事実。でも、もぉ独りは辛い。」
震えが止まらない。
龍馬の暖かい腕が私の身体を包む。
「私は…ここにいる…龍馬…雷馬…風馬…神馬と一緒にいたいの。」
4人それぞれの目を見る。
みんな優しい目をしてる。
信じたい、そう思う。
亜綺羅「……ぁ…してよ………じゃぁかえしてよっ!!」
亜綺羅の瞳に涙が浮かぶ。
亜綺羅「まだ……まだ言ってないの…和也に好きって言ってないの!!」
亜綺羅が膝をつき泣き崩れた。
亜綺羅「……あんたが………あんたが…」
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ずっと雨なんてありえない。
いつかきっと晴れるから。
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龍馬「愛姫………」
……。
龍馬にまた手を引かれ人形のように歩いた。
これでよかったのか
人殺しが近づいてもいいのか
また…
大切な人を失うのではないか。
龍馬「……愛姫!!」
「……!!…あ、ごめん、なに?」
龍馬「……いや、ついた。」
目の前にはまたあの大きなマンション。
最上階までエレベーターで上がり部屋に入る。
雷馬「みんな、コーヒーでいい?」
風馬「たぶん。」
雷馬がコーヒーを持ってきた。
少しの沈黙。
話さなきゃ。
龍馬たちなら大丈夫
分かってるけど身体が震える。