そう言いながら、ベッドから降りて、仕
切りのカーテンを開ける。
するとそこには、保険医の先生と、──
雅が居た。
……なんで、雅が……。
「あら美作さん、具合はどう?随分とぐ
っすりだったから、起こさなかったのよ
、ごめんね?」
「いえ……大丈夫です」
そう軽く微笑んでから、保健室から出よ
うと足を踏み出すと、ぐい、と雅に腕を
掴まれた。
「な、に……」
顔を上げると、真っ直ぐな黒い瞳が、動
揺する私を映し出していた。
───何、動揺なんてしてんのよ。
なんだか今日は、冷静さを保てない。
「……離して」
「送る」
「そんなのいいわよ。いつも一人で帰っ
てるんだし……」