因みに。
教師の機嫌が悪い時はこうなる。
「この問題は…、おい峯、……チッ」
いつもの如く目を覚まさない亜子にドコドコと足音をたてて近付いた笹倉は、手に丸めた教科書をバコンッと爽快な音をたてて振りかざした。
「…っ、せんせ、痛…」
「あ?俺に文句垂れてんじゃねぇぞ」
「………、スイマセンデシタ」
亜子は寝起きにも関わらず瞬時に悟る。今の笹倉には反抗するなと。
彼女にしては珍しく寝る体勢から授業を受ける体勢にピッと整えた。
「…チッ、最初からそうしやがれクソが」
「……スイマセンデシタ」
(腹立つけど返り討ちにはあいたくないっ!)
【END】