「何だって?先生は」

「数学の課題を集めて持って来いってさ」

「あちゃー、御苦労さま」

「ほんとだよ。もう、良いことない!」






溜息をつきながら、塵取りを取りに廊下に出る。

すると。





「ほら」

「あ、ありがとう」





塵取りを手渡してくれたのは、同じクラスの三浦くん。


そう。
私と彼は同じ名字。

確か、彼は学校外のクラブ活動をしているんだっけ。
誰かからそう聞いた気がする。






「佳苗!あたしのとこも取って行ってよ!」

「もー!仕方ないなあ」

「ありがとって!」






でも、関わりなんて、全然全くなかった。


―――このときまでは。