そうか、ただのオーバーヒートなのかもしれない。今まで無かったようなことに、私が対応できていないだけ。
「香澄ちゃんも同じなんじゃない？ お姉ちゃんに何て話していいかわからなくて、自分でも戸惑ってるんだよ、きっと」
言われてみれば納得できる。
高校に入ってから知り合った私たちは、似ているところが多い。異性に対しても同じで、カッコいいと品定めすることはあっても好きになった人はいない。ましてや付き合ったことなどない。
私たちは今まで、本当に恋することを知らなかった。それを知ってしまったから、どうしたらいいのかわからなくて……
香澄も私と同じ気持ちなんだ。
胸で疼いていたものが消えていく感じ。
だけど恥ずかしいのは、私が曽我部さんに抱いてしまった気持ちに気づいたから。
