「おはよう、久しぶり」
「麻衣、おはよう、一週間前に会ったばかりじゃない」
そう、私たちはちょうど一週間前に遊びに出掛けたばかり。
久しぶりなのは一緒に電車で通学することとお互いの制服姿、そして通学仕様の二つ結びの髪型。
「とうとう学校始まったね、今日は空いてて助かったよ」
私たちは車内を見回した。座席はほぼ埋まっていて、ドア付近に立っている人も居るけど、普段の混雑に比べたらほっとする。
「麻衣、昨夜は緊張しすぎて寝付けなかったんじゃない?」
香澄が顔を覗き込んで笑う。
日曜日の夜、私が決まって寝付きか悪いことを知っているから。明日は早く起きなければと思うと、緊張してしまって眠れなくなってしまう。
「うん、眠れなかったよ。今日は昼までだから、家に帰ったら昼寝する」
と返しながら、私は大きな欠伸をした。