私はアパートを通り過ぎ崇人の実家へと向かった。



「遅かったわね。
侑ちゃん、いらっしゃい。
寒かったでしょ~入って入って♪」


玄関先で失礼するつもりだったのに
私の腕から侑右を引き抜いた崇人母は
楽しそうにリビングへ。。。


「夕方で道が混んでいてスイマセン」


かっこ悪いけど言い訳ぐらいは私もしてみる。


「そう。もうそんな時間なのね。香奈ちゃんも上がったら」


「あの、お義母さん出かけるんじゃ…」


「あっ、それ寒いからって中止になったのよ」


はっ?さっきの今で?
てか今日、
3月上旬並みに暖かいですけど。。。


「崇人にも電話しといたから、晩ご飯食べていってね」


なんだ、この展開は。

急にどうしても侑右に会いたくなって
荷物を理由に一芝居打った?

分かりやすくて強引・・・まあ、いいけど。





侑右の相手に忙しい崇人母に変わり
今晩のメインディッシュ豆乳鍋に入れる野菜を切っていると


「ただいま~」


崇人が帰ってきた。