「開けてみなよ」

崇人に促され

クルクルと綺麗にカールされたリボンを解く。

「これ・・・」

「気に入った?」

みんなの視線が私に集まっている。

「こないだ雑誌で見てた服だ!!」

「欲しそうな顔、してたから(笑)
サイズとか分からないし琴子ちゃんに買って来てもらったんだ」


「すごい!!ありがとう!!!」


サーモンピンクのシルクが入った
私には高価なワンピースを、
そっと胸に抱きしめてみる。

繊細で傷つきやすい。
だからこそ大切に身に着ける。
これは、そんな薄いベールのような1枚だ。


みんなからの20歳のプレゼントは
最近人気の大人かわいいブランドの
私達の今の経済状況では決して買えない物だった。

「これ着て、たまには2人でデートしてきなよ。おばさんに侑ちゃん預けてさ」

琴子の発案に

「そうね。私も侑右とゆっくりできるし。いつでも行ってらっしゃいよ」

崇人母が満足顔で頷いている。