バスが出発して五分後…。
冬真は何も言わなく無言だった。
はぁ…となぜかいきなり冬真が
ため息をはく。
それから私のとこへ向き
「さっきからさチラチラ見てるよね?なんか期待してるの?」
私は顔と背中が熱くなるのを感じた。
「べ、別にっ」
私は顔を逸らした。
「ふ〜ん…」
と、そっけなくした冬真。
私は、窓の外を見つめた。
しばらく見つめていると……
いきなり手に暖かな感触が…
私は自分の手を見た。
その大きな手から腕、肩…
それから…顔を見た。
やはり、それは冬真。
それから、もう片方の手を
なぜか私の顎に…
くいっとやられ、恥ずかしくて逸らしたいのに…
そらせなかった。
「なんでこの席選んだか分かる?」
私は首も振れなく…声も発せない。
だから、見つめるだけだった。