「おーい。二人とも〜」
この声は多分、風くんだろう…
み、見られちゃうよっ…!
私は焦る。
心臓の音を耳で聞きながら
冬真の胸を押す。
だけど、離してくれなくて…
逆に強く私は唇を求められてしまう。
風くんが私達のところへ近づいてくる。
急に…
私の唇にあった感触は、ふわっと消えた。
…
風くんは私達の横まで来て…
「じゃ、先おれ、言ってるわ。」
バスへとかける風くん。
私はそれをボーッと見ていた。
それからどこを向いていいか分からなく
冬真へと視線を移す。
目がバチッと合う。
ドキン!と跳ねる心臓。
無表情だった冬真はくすっ…と笑った。
えくぼがでてきて…
可愛いな…と、思ってしまった。
「いくか。」
そう言われ、私は冬真に手を掴まれ、バスの中へと引っ張られた。
それから、私は自分の席へと行こうとしたが…
なぜか…、
その一個、後ろの席へと座らせられた。
「あの…冬真…?」
だけど、冬真が反対側を座ったことによって私は出られなくなってしまった。