私は風くんの言葉を流しながら
顔の熱を冷ましていく。
私は冬真と話したかったけど
それはバスガイドさんによって遮られた。
それからバスは出発した。
バスガイドさんが話していく中…
私はバレないよう冬真と話す。
「冬真?」
冬真の顔が隙間から見えた。
「何?」
あ…私、何話したかったんだっけ?
私は必死に思い出そうとするが…
「うーん…呼びたかっただけ?」
冬真は黙り込み…
「そっか。別にいいんだけどな。」
と、言った。
私は話すことがなくなったため
前へとちゃんと座り直す。
今はちゃんと話せないけど
着いたら多分、話せるよね。
私はそう思い、ふと風くんを見てみる。
なんとまだバスに乗ってから
十分しか経っていないのに風くんは既に寝ていた…。
バスの中は、皆元気で楽しみにしている雰囲気を出して
いかにも寝れません!と言っているような感じだ。
よくも、まぁ…
寝れるもんだなぁ…と思ってしまった。
私はつい笑ってしまう。
急に…
「その笑顔は他の男に見せちゃダメだろ。」
風くんが片目を開け、私を見ていた。
「俺はもう手を出すつもりないからいいけどさ…
その笑顔はとにかく他の男に禁止だぞ?」
私は、その真剣な目にただただ頷いた。
それから何十分か経つと…
バスは一回止まる。
サービスエリアについたようだ。