私は首を傾げ
冬真についていった。
ーー…
「皆集まったわよねー?ちょっとーっ?」
私達のクラスの担任が甲高い声で叫ぶ。
「集まってまーすっ」
一人の男子が言う。
「それじゃ、他のクラスも集まったみたいなので…」
「開会式を始めます。それでは代表の…」
開会式が始まり、代表の生徒が開会の言葉を言っていた。
私はボーッと聞いていた。
なんか…
すごい見られてるような…
嫌だなぁ…
私はため息を心の中でする。
トントン…
と、肩を叩かれる。
「ん?」
きっと叩いたのは冬真だなと思って振り返ろうとした。
けど…
私の体がいきなり後ろにグラン…と傾く。
「えっ…」
だけど、痛くはなく
むしろ、暖かく柔らかかった。
私は上を見上げると
冬真の顔がドアップだった。
「しばらくこうな。」
それから前を見つめる冬真。
先生は誰も気づいていなく
気づいてるのは周りの生徒だけだった。
冬真の足と足の間に私の体がスッポリと入っていた。
私は恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら冬真の顔を見つめていた。
もう冬真のことしか考えられなくて周りの目なんて、どうでも良くなってしまった。
これも冬真なりの優しさなのかな……。
多分私が周りの目を気にしていたから
冬真が気づいてくれたのかも…
私はそれが嬉しくて微笑んでしまった。