そして、夜になりナセニエルお姉様の婚約パーティーが開かれた。


ここ、ブラウン国ではたくさんの国の貴族を招待している。



その中に、ナセニエルお姉様とヒース王子は二人手を取り合って楽しそうに他国の人とお話をされている。



「はぁ…。いつになったら迎えに来てくれるの…?私は、ずっと待っているのに…。あの時から」


私は、あの13年前に約束した男の子をずっと待っている。



いつか、その男の子が私の前に現れて「待たせてごめんね。約束を果たそう」と笑顔で言ってくれるのを…。



「どうなさいましたか、リリアン姫。」




ん…?誰??




「大きなため息なんてついて、なんかありましたか?」




「いえ、大丈夫です。」




この人、凄く綺麗…。男の人なのに、女の私より整った顔してる。




黒いさらさらな髪、白い肌、特徴的な大きなエメラルドグリーンの瞳。





「えっと…。お名前はなんておっしゃるんですか?」



(やっぱ、覚えてないかぁ…。)
「隣国の、パーズ国の第一王子アーロン・パーズです。」




「それは、大変失礼しました。隣国の王子が来てくださっているのに、存じ上げておらず。私は、ブラウン国の第三姫リリアン・ブラウンです。」

といい頭を下げた。




「いえいえ頭を上げて下さい。リリアン姫、初めてお会いするんですから知らなくて当然ですよ、これからよろしくお願いいたしますね、リリアン姫」


(と言ったものの、やっぱ、覚えてないと傷付くな…。)



(その顔で、言われると女の人は皆嬉しいだろうなぁ?)



「はい、これからよろしくお願いいたします。アーロン王子」



とリリアンは微笑んだ。



(なっ///…。その顔はマジヤバいって…。可愛いすぎっ!)



あれ…?なんかアーロン王子の顔が真っ赤になってきてる?大丈夫かな??



「あの…。顔が凄く赤いですけど、大丈夫ですか?」


とリリアンは、上目遣いで聞いてきた。



「ッ…。全然大丈夫ですよ//」


(ヤバいってその顔は//)



「でも…。さっきより顔が赤くなってきているような…?お部屋に案内しますので、そこでお休みになられたらどうですか?」


(もしかして、リリアンは天然??それは、それで苦労しそうだ…。)



「いえ、本当に大丈夫なので。それでは、そろそろ行きますので」




「はい、それではまた。」




ボソッ
「また、明日、リリアン…。」




(ん~。なんか、アーロン王子言ってたような??まぁ、いっか!)