『文化会館。時間は10時15分からです!!!




来てくれるんだったら来てちょ。




零からのパワー受信っ』





それから零の返信はなかった。



きっと勉強で忙しいから、




しょうがない。





私のがずっと暇人だもんね。












零の大会の日が来た。





零は言った。





バスケ部はそんなに強くないから市内大会どまりだろうって。




だけど、県に行けるようにがんばるよって。





最後の合奏。




先輩との最後の合奏。




この席で吹けるのも最後で、




この楽器で吹くのももう少し。




「うん。いいんじゃない」




顧問はほめてくれた。




「よし、じゃぁ、積み込みして」




明日は朝早い。



もう練習はできないから、




きてもらったトラックに楽器を積み込む。




楽譜をかばんにつめた。




先輩は譜面台もたたんだ。