「でもねぇ、ちょっとおかしくなっちゃうのはしょうがないでしょ」



私は必死に誰かをフォローする。



「何それ」




梨乃は鼻で笑った。




「え?」




「そんなんでへこたれてんの?生きてけないっつーの。さっさと忘れなよ。千愛ちゃんなんて」






さらっと言う。





私を軽蔑するような目で。





私を馬鹿にする目で。




「.....ねぇ、梨乃。梨乃こそ、大丈夫?」





「何?」




「梨乃こそ、おかしいんじゃない。友達1人死んでるんだけど。忘れなよなんてよくも当たり前に言えるよね。マジ、尊敬するわ。悪い意味で」





私だって軽蔑の目を向ける。





「何それ。私をけなしてるの?」




「そうだけど。みんな見てごらん。みんなおかしくなっちゃってるよ。でもそれが普通なの。梨乃がおかしいの。わかる?ってか、千愛ちゃんは梨乃にとってなんだったわけ?」