「行こ」



私は百合にあいさつをして言う。




百合は




「うん」




と歩き出した。




なのに、






琳はその場でたったままだった。




「琳?行くよ」




「.....上杉は」




「ん?」





「上杉、来てないじゃん」





さっきの琳とは変わっていた。




元気で明るくてちょっとうるさい琳ちゃんじゃなくて、





壊れてしまったロボットのように



俯いて、




ただひたすらに口だけを動かしていた。




「上杉、来てないじゃん。おいてくの?」





「琳、千愛ちゃんは...」



「上杉来てないじゃん!!!待ってるよ。うちは。行きたいんなら先行ってて」