「真子さんがこの世に生を受けたその瞬間は、2月の22日。午前0時ですよね?」

「……はあ」


確かに誕生日は、2月22日。
でもそれと何の関係が?


「貴女とトワは同じ日の、全く同じ時刻に誕生した」

「え?」

「陰と陽。それは中国の考えですが、遥か昔、陰陽道の考えにも通じます。ついに生まれた相手が、運命の相手。もちろん同性でも絆は生まれる。しかし、この呪われた楔(くさび)から解放されるためには、もっと強い力が必要なんです。そして……幸運な事に貴女は女性だ」





「より強い絆で結びあえる」

「あ、あの! すみません、ちょっといいですかッ」


彼の言ってる事がさっぱりわからなくて、手を挙げて慌ててそれを止めた。

お抹茶には、桜色の可愛いお茶菓子も添えられていて。
あたしが割り込むと正宗さんは「どうぞ」と言って、それを頬張った。


「えっと……陰陽道?とかはよくわからないんですけど……同じ時間に生まれた人なら、きっと世の中もっとたくさんいると思います!その中には女の子だっているだろうし……どうしてあたしなんですか? あたしが……あの時、神様にお願いしたから……」


そこまで言って、モゴモゴと視線を落としたあたし。
正宗さんのクスクス笑う声が聞こえ、そっと視線を上げた。