トワの視線はあたしなんか見てなくて。

また、逸らされた?

さっきは、絶対に目が合ったハズ。

なのに……。



箸を持つ手にキュッと力が入る。

なによ、トワってば。
優しくしたり、冷たくしたり。あたしの事振り回して、たのしいの?


無意識にムッとして、ささやかな抵抗でトワを睨んだ。


空色の髪。
伏せられた、長い睫。
スッと伸びた鼻筋に、形のよい唇。

ほんのり色づいた頬……って、あれ?


ジロジロと眺めていて、ハッとした。

なんか、今日のトワ……いつもと違う?なんだろう。ここが、京都だからかな?


妙な違和感を感じつつ、あたしは残りの料理をペロリと平らげた。





食事を終えて、広間を出た時、ちょうど同じタイミングで出てきたトワに会った。



「あっトワ!」



なんて、思わず大声を出して、ハッと口をつぐんだ。
口元を覆ったまま、チラリと長身のトワを見上げた。

今度は、逃げも隠れもしないらしい。
まっすぐにあたしを見下ろしているトワは、その瞳を細めた。


うっ……。

なんで笑うの?

思わずたじろいで、それでも思ってた事を口にした。