目覚めると、見慣れぬ真っ白な天井を見つけた。
体はふかふかな暖かなものに包まれているのを感じ取ることが出来る。
(ここは…天国?私は死んだの…?)
ぼーっと天井を見つめながら私はそう考え周りを見回した。
そこで私はさとった。
私は死ねなかったのだ――と。
だってここはどう見ても病院の個室。
そして、自分を助けようとした男性の姿がフラッシュバックする。
普段は他人に全く関心の無い優だが、このときは何故か彼の必死な表情が頭から離れなくて。
(あの人どうなったのかな…)
なんて考えながら目を閉じると、ノックの音とともに若い看護士が入ってきた。
「あら目が覚めました?」
「…」
その問いに対して私は何も答えなかった。
こんなのいつものこと。
―私は無愛想で表情のない
山本優だから…。