ここは部活後の下校中の生徒がごく少数しかいない学校。

学校は夕暮れにオレンジ色に染まっていて、
昼間の活気なんて嘘かのようにシーンとしている。



私の死に際にぴったり。
私はオレンジ色の空を見上げて…そう思った。




そして静かに目を閉じると、体を空に傾けた―――











…私には落ちていく時間が無限にも長く感じた。


死ぬ間際は走馬灯が見えるなんて言うけど

あれは真っ赤な嘘だ。

だって今何も見えないから。


(見えないほうがいいのかも。辛いだけだ…)


もうなくしたはずの感情が溢れてくる。


ああ、本当に死ぬんだなーなんて考えたら
生暖かい涙がこぼれた。


この生暖かさこそが、
私の生きている証。